子宮頸がんとは

子宮にできるがんには子宮頸がんと子宮体がんの2種類があります。そのうち、子宮の入口付近にできるがんを「子宮頸がん」、子宮の奥の胎児が育つ場所にできるがんのことを「子宮体がん」といいます。子宮がんの内訳としては子宮頸がんが7割を占めており、日本でも多くの人が発症し、女性特有のがんとしては第二位の発症率となります。

原因・予防方法

この子宮頸がんの原因の約9割以上がヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって起こることが明らかになってきています。HPVは性交渉により感染するウイルスで、性交渉経験がある女性であれば8割が感染するといわれていますが、そのほとんどが自己免疫力などで回復します。しかし0.1%程度の割合で癌化するといわれています。

予防方法は子宮頸がんワクチンの接種により可能です。当院では、このウイルスを予防するワクチンとしてシルガード®︎9を使用しています。シルガード®︎9は日本で製造販売承認がされたワクチンで、他の子宮頸がんワクチンよりも多くのウイルスの型に効果を発揮します。(HPV 6,11,16,18,31,33,45,52,58 型)

接種年齢

当院では中学生以上の方を対象とさせていただきます。中高生の方は保護者の方の同伴をお願いいたします。

接種方法とスケジュール

筋肉注射を3回接種します。
通常2回目は初回接種から2ヶ月後、3回目は初回接種から6ヶ月後です。

※何らかの理由で通常のスケジュールでうてない方は、2回目を1回目から最低1ヶ月以上、3回目は2回目から最低3ヶ月以上あけて接種してください。

  1. お電話にてご予約下さい。(在庫確保のため、1週間先の日時にてお願いします。)
  2. ご自宅にて「ワクチンQダイアリー」にご登録下さい。
  3. 接種日当日、受付時に予診票記入と、「ワクチンQダイアリー」に当日の体調を入力していただきます。
  4. 当院スタッフが「ワクチンQダイアリー」にアクセスし、入力内容を確認いたします。
    ※接種後30分は院内での経過観察が必要となります。

注意事項

新型コロナワクチンの接種日から2週間の間隔が空いていれば接種可能です。

Qダイアリーについて

厚生労働省の指示により全例登録が義務となっておりますので、登録をしないとワクチンを接種することはできません。
ご来院前に「ワクチンQダイアリー」にアクセスし、「新規登録」をして下さい。
接種時はスマートフォンやタブレット端末などをご持参ください。

【重要】来院前にワクチンQダイアリーの事前ご登録をお願いいたします。
※どこのクリニックで接種しても、登録が必要となります。

リスクと副作用

他のワクチンと比べて起こりやすい副作用などはありません。軽度な副反応としては、接種したところの痛み・腫れ発赤があげられます。重度の副反応としては、過敏症反応(アナフィラキシー、気管支痙攣、蕁麻疹等)、ギラン・バレー症候群、血小板減少性紫斑病、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)が挙げられています。しかし、これらの副反応は、発生数そのものが少なく、発生頻度も不明です。

料金

シルガード9 1回あたり 33,000円(税込)

※3回接種が必要です。ご予約後のキャンセルはお控えください。
※公費の対象外です。

接種に関するご質問

検診で病変が見つかった場合に、ワクチン接種は可能でしょうか?
ワクチン接種は可能です。ただし、ガーダシル®およびシルガード®9はすでに感染しているHPVを排除したり、すでに生じているHPV疾患の進行予防効果は期待できません。一方で症状を悪化させたり、がん化を促進させるという見解はありません。

細胞診異常、HPV陽性、尖圭コンジローマが確認された場合、すでにHPVのいずれかに感染している可能性があるものの、ガーダシル®およびシルガード®9に含まれるHPV型すべてに感染している可能性は低いと考えられます。そのため、ガーダシル®およびシルガード®9を接種することで、感染していないHPV型による疾患の発症を予防することができます。

なぜワクチンを3回接種する必要があるのですか?
ガーダシル®およびシルガード®9は3回の接種を完了することで、HPV感染を防ぐために必要な免疫が得られることがわかっています。1~2回の接種では十分な免疫を得られずに予防効果が得られない可能性がありますので、確実に3回の接種を完了するように指導してください。
接種スケジュールがずれた場合には?
標準スケジュールは初回接種の後、2ヶ月後、6ヶ月後ですが、各回の接種間隔がのびた場合でも最初から接種し直す必要はありません。残りの回数を接種してください。
また、各回の接種間隔が短くなる場合は、2回目の接種は初回接種から少なくとも1ヶ月以上、3回目接種は2回目接種から少なくとも3ヶ月以上間隔を置いて接種してください。
接種スケジュールの途中で妊娠してしまったら?
ガーダシル®およびシルガード®9の妊婦への接種は安全性が確立しておらず、推奨されません。そのため、2回目、3回目を接種する前に妊娠が判明した場合は出産後まで接種を延期してください。
この場合も最初から接種をやり直す必要はありません。

・1回目接種後に妊娠が判明した場合は、出産後に2回目、3回目を接種してください。
・2回目接種後に妊娠が判明した場合は、出産後に3回目を接種してください。

接種途中から別のワクチンに変更することは可能でしょうか?
他のHPVワクチンとの互換性に関する安全性・免疫原性・有効性の臨床効果を評価した報告はありません。可能な限り、同じ種類のワクチンを3回接種することをお勧めします。
過去に他のHPVワクチンの接種が完了している場合に、追加でシルガード9を接種することは可能でしょうか?
接種不適当者には該当しないため、接種は可能です。また、ガーダシル®接種完了後、シルガード®9を接種した場合の免疫原性、安全性データは報告されています。ただし、海外のガイドラインでは、接種完了者にシルガード®9を追加接種することは推奨されていません。
なお、シルガード®9については、男性への接種に対する適応はありません。(2020年12月現在)。